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文献情報

文献番号 201205007A
報告書区分 総括
研究課題 認知症、特にBPSDへの適切な薬物使用に関するガイドライン作成
課題番号 H24-特別-指定-008
研究年度 平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関) 本間 昭(社会福祉法人 浴風会 認知症介護研究・研修東京センター) 
研究分担者(所属機関) 粟田 主一(健康長寿医療センター研究所)、木之下 徹(こだまクリニック)、秋下 雅弘(東京大学 老年病科)、中島 健二(鳥取大学 脳神経内科)、鳥羽 研二(国立長寿医療研究センター) 
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
開始年度 平成24(2012)年度
終了予定年度 平成24(2012)年度
研究費 2,700,000円
研究者交替、所属機関変更  

研究報告書(概要版)

概要版 研究目的:
すでに認知症の治療ガイドラインは成書(日本神経学会, 2010)で示されているが、本研究事業ではBPSDの治療における向精神薬の使用実態を踏まえ、より実践的な認知症、特にBPSD(Behavioral and psychological symptoms of dementia, 認知症の行動・心理症状)への適切な薬物使用に関するガイドラインを作成することを目的とした。
研究方法:
研究代表者は24年度に老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業)による「かかりつけ医による認知症者に対する向精神薬の使用実態調査に関する研究事業」を行い、かかりつけ医および認知症に関連する3学会が認定した専門医を対象にアンケート調査を実施し、同時にBPSDの薬物療法における向精神薬の有効性と副作用に関する文献レビューを行った。これらの結果を踏まえて、研究分担者および研究協力者によるコンセンサスミーティングを兼ねた班会議を2回開催し、そこで得られたエキスパートオピニオンを含めガイドラインとしてまとめた。
結果と考察:
1.BPSDに対する薬物療法の基本原則は以下の通りである。 ○BPSDへの対応の第一選択は非薬物的介入である。 ○多剤併用を避ける。 ○BPSDの薬物療法は治療のリスクとベネフィットを含めた十分な説明を行い、同意を得たのちに開始し、以下の状態に限定するべきである(国際老年精神医学会, 2012)。 ・身体的原因がない ・他の薬物の作用と関係がない ・環境要因により生じたものではない ・非薬物的介入に反応しないか、もしくは非薬物的介入が適切ではない ○BPSDの薬物療法にあたっては以下の点について明らかにするべきである。 ・ある症状または行動を薬物で治療することは妥当か、それはなぜか。 ・その症状または行動は薬物に反応しそうかどうか。 ・その症状または行動にはどの種類の薬物が最も適しているか。 ・予測される、副作用はなにか。 ・治療はどのくらいの期間続けるべきか。 ・服薬管理は誰がどのように行うのか。 ・薬物の投与量に関しては、年齢、体重、腎機能などの身体状況を勘案する。 ○用量については以下の点を留意する。 ・低用量で開始し症状をみながら漸増する。 ・添付文書上の最高用量を超えないこと ・肝・腎機能低下がある場合、程度を勘案して用量を設定すること ・薬物相互作用に注意すること 2.向精神薬(抗精神病薬(リスペリドン、ペロスピロン、クエチアピン、オランザピン、アリピプラゾール)、抗うつ薬(フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、エスシタロプラム、ミルナシプラン、デュロキセチン、ミルタザピン、アモキサピン、ミアンセリン、トラゾドン)、抗不安薬(タンドスピロン、ロラゼパム、オキサゼパム)睡眠導入薬(ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロン、クアゼパム、ラメルテオン))について処方上の留意点等を示した。
結論:
24年度にかかりつけ医を対象にわれた向精神薬の使用実態調査では、向精神薬、特に抗精神病薬の使用に際して本人およびあるいは家族/介護者より同意を常に得ているかかりつけ医は2割に達しなかった。改めて説明と同意を得ることの重要性について本ガイドラインでは強調した。また、従来、エビデンスがほぼ皆無であるBPSDに対して向精神薬が用いられている実態が明らかになった。この実態を踏まえてコンセンサスミーティングによって、抗精神病薬を使用する対象となり得るBPSDを示し、具体的な向精神薬の用量と使用上の注意点を示した。向精神薬を用いた薬物療法の前提となる非薬物的介入を行うための種々のリソースの整備も同時に必要であることは言うまでもない。
公開日 -
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更新日 2013年10月31日

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