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文献情報

文献番号 200500350A
報告書区分 総括
研究課題 脳内移行性アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤投与によるアルツハイマー病の新規治療法の確立
課題番号 H17-長寿-045
研究年度 平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関) 大類 孝(東北大学病院) 
研究分担者(所属機関) 岩崎 鋼(東北大学先進漢方治療医学講座) 
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究 【長寿科学総合研究分野】
開始年度 平成17(2005)年度
終了予定年度 平成18(2006)年度
研究費 5,400,000円
研究者交替、所属機関変更  

研究報告書(概要版)

概要版 研究目的:
高齢化がますます加速するわが国において、認知症疾患の中でアルツハイマー病(AD)の増加は顕著で、その克服は最重要課題である。本研究で私は、わが国で使用されている降圧剤の中で、脳内移行性ACE阻害剤の投与が、AD患者において脳内のACE活性を抑制することにより病勢の進行を抑える事を明らかにし、ADの新たな治療法を確立する。
研究方法:
 東北大学病院ものわすれ外来通院中のAD患者およびADの前段階である軽度認知障害(MCI)患者および健常人から、同意を得た上で脳脊髄液を採取しその中のACE活性を測定し、脳内ACE活性と認知機能障害の関連を明らかにした。次に、高血圧合併AD患者を無作為に脳内移行性ACE阻害剤投与群、脳内非移行性ACE阻害剤投与群およびカルシウム拮抗剤投与群に割りつけ、対象者のその後12ヶ月にわたる認知機能および日常生活活動度(ADL)を追跡調査し、得られた結果を統計学的に解析し3群間の比較検討を行う。
結果と考察:
 AD患者およびMCI患者および健常人の脳脊髄液中のACE活性を測定した結果、MCIおよびAD患者のACE活性が健常人に比して、有意に上昇している事が明らかにされた(MCI:0.29±0.03 IU/L, n=17, AD:0.23±0.02 IU/L, n=31, 健常人:0.19±0.02 IU/L, n=15, p<0.01)。また、AD患者では、脳内移行性ACE阻害剤投与によって、脳脊髄液中のACE活性が有意に抑制される事が明らかにされた[0.24±0.02 IU/L (投与前) vs 0.13±0.03 IU/L (投与後), n=7, p=0.038]。本研究で、私は、生存中のMCIおよびAD患者の脳脊髄液中ACE活性が、健常人に比して有意に上昇している事を初めて明らかにし、AD患者における脳内ACE活性抑制の治療戦略の意義を確認した。
結論:
 脳内移行性ACE阻害剤は、AD患者の病勢進行を抑制する可能性が示唆され、現在、実際の登録患者で研究が進行中である。
公開日 2006年04月06日
研究報告書
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公開日・更新日

公開日 2008年01月31日
更新日 -

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